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令和 2年第372回定例会(第5号12月 4日)

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  1. 愛媛県議会 2020-12-04
    令和 2年第372回定例会(第5号12月 4日)


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    令和 2年第372回定例会(第5号12月 4日) 第372回愛媛県議会定例会会議録  第5号 令和2年12月4日(金曜日)   〇出席議員 47名   1番  中 田 晃太郎   2番  山 崎 洋 靖   3番  石 井 智 恵   4番  中 野 泰 誠   5番  西 岡   新   6番  菅   森 実   7番  浅 湫 和 子   8番  大 政 博 文   9番  新 田 泰 史   10番  黒 川 理惠子   11番  武 井 多佳子   12番  田 中 克 彦   13番  西 原   司   14番  塩 出   崇   15番  高 橋 英 行   16番  川 本 健 太
      17番  帽 子 大 輔   18番  大 石   豪   19番  菊 池 伸 英   20番  古 川 拓 哉   21番  兵 頭   竜   22番  松 下 行 吉   23番  宇 高 英 治   24番  大 西   誠   25番  松 尾 和 久   26番  木 村   誉   27番  石 川   稔   28番  梶 谷 大 治   29番  西 田 洋 一   30番  福 羅 浩 一   31番  三 宅 浩 正   32番  徳 永 繁 樹   33番  笹 岡 博 之   34番  鈴 木 俊 広   35番  毛 利 修 三   36番  赤 松 泰 伸   37番  本 宮   勇   38番  高 山 康 人   39番  戒 能 潤之介   40番  渡 部   浩   41番  越 智   忍   42番  横 田 弘 之   43番  西 原 進 平   44番  中 畑 保 一   45番  明 比 昭 治   46番  岡 田 志 朗   47番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 なし   ―――――――――― 〇出席理事者  知事         中 村 時 広  副知事        田 中 英 樹  公営企業管理局長   佐 伯   隆  総務部長       高 石   淳  企画振興部長     金 子 浩 一  スポーツ・文化部長  大 北   秀  防災安全統括部長   福 井 琴 樹  県民環境部長     岸 本 憲 彦  保健福祉部長     高 橋 敏 彦  経済労働部長     東 野 政 隆  農林水産部長     馬 越 史 朗  土木部長       葛 原 健 二  会計管理者出納局長  菅   規 行  教育長        田 所 竜 二  副教育長       仙 波 純 子  人事委員会委員    大 内 由 美  公安委員会委員    渡 部 智磨子  警察本部長      篠 原 英 樹  監査委員       高 橋 正 浩  監査事務局長     井 関 浩 一   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長       小 坂 泰 起  事務局次長      矢 野   等  参事総務課長     松 本 賢 固  議事調査課長     鳥 生 敬 央  議事調査課主幹    二 神 裕 志   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第123号議案ないし定第126号議案、 定第128号議案ないし定第141号議案 ┌────────────────┐ │(注)議席番号は、新型コロナウ │ │   イルス感染防止対策として │ │   間隔を空けて着席するため │ │   に設けた議席を含めた臨時 │ │   の番号である。      │ └────────────────┘      午前10時 開議 ○(戒能潤之介議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者大石豪議員兵頭竜議員を指名いたします。    ――――――――――――――――― ○(戒能潤之介議長) これから、定第123号議案令和2年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第126号議案及び定第128号議案ないし定第141号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(帽子大輔議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 帽子大輔議員   〔帽子大輔議員登壇〕 ○(帽子大輔議員) (拍手)おはようございます。  自由民主党の帽子大輔でございます。  新型コロナウイルス感染症に罹患された皆様に心からお見舞いを申し上げます。そして、一日も早い回復をお祈り申し上げます。  最初に、観光におけるデジタルマーケティングの在り方についてお伺いをいたします。  平成30年度にスタートしたインバウンド誘客促進のためのデジタルマーケティングも、7つの国と地域に絞ったデジタルプロモーションによる認知を獲得し、令和元年度では、初年度の取得データを活用し、サイクリング、お遍路、フィッシング、お祭りなどの動画を配信して、さらなる絞り込みを行い、ターゲット層からの認知、関心、行動、実需というステップを着実に踏んできております。成果としては、動画再生数の倍増による本県認知度の向上や、サイトページの滞在時間の増加に伴う来訪意欲の醸成、アメリカは祭り、台湾はお遍路など、国による興味行動を喚起する内容は異なるというデータを取得できており、誘致戦略にも生かしていけると思います。  私は、愛媛県の観光におけるデジタルマーケティングにおいては、認知、関心、行動、実需に加え、その後のアプローチとリピートというサイクルをデジタルマーケティングで補うことも大切だと思っています。そして、今までのPDCAサイクルから、環境の変化に対しても柔軟な対応を可能とするOODAループへの転換を図り、今、目の前に来ている観光客のニーズに合わせて施策を変換していくことが重要です。  具体的には、県内の観光客の動向のモニタリングを行い分析するほか、旅行から帰ってしばらくしたときに、地域の観光や物産情報がプッシュ配信される一連の流れをつくり、また、リピートにつなげること。つまり、リピーターにも、デジタルマーケティングプロモーションを行う必要があるということです。  例えば訪日外国人に向けて、空港で無料SIMカードを配布しているWAmazingという会社がありますが、このビジネスモデルは、来日前に利用者がアプリで個人の情報や旅程を登録し、日本の空港に設置した専用機で受け取り、旅行前から旅行中、旅行後もアプリで関連のサービスを利用してもらうプラットフォームビジネスでありますが、現在、インバウンド需要の落ち込みにより苦戦をしています。  このようなときに国内旅行やマイクロツーリズムに目を向けてもらい、今回の県の宿泊割引や地域商品券などと連携して、旅行前から旅行後までの動きを追い、さらにコンテンツを磨いてプロモーションをかける仕組みをつくり、活用していくような取組が必要であります。また、松山市で地域電子マネーを発行しているマチカのようなサービスと連携することも有効だと思います。  いずれにしても、マーケティングを行う際には、少し目の前の人の流れを踏まえたコンテンツの充実とプロモーションまで意識して取り組むことが重要だと考えます。  そこで、お伺いをいたします。  県は、コロナ禍におけるデジタルマーケティングを活用した観光客の誘致にどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。  次に、行政のDXについてお伺いいたします。  新型コロナ対応民間臨時調査会の調査・検証報告書によると、全国一律10万円を給付する特別定額給付金は、4月30日に第1次補正が成立してから2か月で76%、4か月で99%の国民に対する給付を実現しており、2008年9月のリーマンショック後の1.2万円の定額給付金が給付完了するまでに約6か月以上を要したことと比較すると、短期間のうちに給付を完了したと言えます。しかし、ほかの先進諸国との比較では、必ずしも早かったとは言えない状況にあり、政策執行力に問題があると指摘されています。
     この背景には、我が国の給付金が、申請不要で自動的に支給されるプッシュ型ではなく、積極的に申請を行った対象者のみに給付するプル型の仕組みで設計されていることにより、申請を処理する事務コストと時間が余計にかかったと思われます。  また、政府が給付対象者の情報を保有していないことに加え、給付の実務を組み立てられなかった状況もあり、全国民に届ける役割については、基礎自治体が担うことになりました。また、オンライン申請の場合は、政府がマイナポータルの入り口のみを整理し、後続処理は自治体に任せる形となりました。役割分担の考え方を否定するものではありませんが、制度の仕組み上、申請情報を自治体保有住民基本台帳の住民データと照合する作業と確認作業が生じ、それがボトルネックとなり、給付の遅延につながりました。  ここで課題として挙げられるのは、政府の情報基盤が整っていなかったため、デジタルを十分に活用した制度設計ができなかったこと、迅速性を優先したため、自治体との試験、調整時間を取らず、全体のマネジメントが欠如したこと、申請状況の可視化ができなかったことであります。  一方で、4月1日に安倍総理が政府対策本部で打ち出した布マスクの1住所当たり2枚ずつ配布については、迅速性を重視し、自治体を介さない形で、北海道での先行配布で前例のあった日本郵政の全住所配布システムタウンプラスを活用し、4月17日から配布をした結果、6月20日までに全戸配布が完了することとなり、配布システムとしては一定の成果が見られた一方で、さらなるスピード感を模索する必要もあります。  また、コロナ禍の台湾では、マスクを増産しても市中で買占めが起こり、住民に行き渡らないという状況が起きたため、台湾当局は、マスクを買い上げて、住民に公平にマスクが行き渡ることを政策に掲げ、コンビニや薬局で健康保険カードを挿入してマスクの予約・受け取りができる実名制販売を実現しました。さらに健康保険カードキャッシュレス決済をひもづけ、4月には、マスクの自動販売機まで登場しています。  課題としては、現金を使い慣れた高齢者のマスクの購入率が40%程度にとどまり、情報格差だけでなく、防疫政策の綻びも指摘されましたが、素早く政策を変更し、現金と家族の購入を許容した健康保険カードを使った実名制販売を行うことで混乱を回避しています。  また、薬局のマスク在庫が一目で分かるマスクマップは、LINEアプリ上からも確認することができ、抜群のスピードと利便性で話題となりました。  今般のコロナ禍は、人々に生活様式の変更を迫り、私たちは柔軟に対応していかなければなりません。そのためには、デジタル技術を効果的に活用していく必要があると思います。  このような中、県では今年7月に、デジタルを活用した働き方のスタイル構築に向け、新しい働き方へのチャレンジを宣言されたほか、せんだって公表されたデジタル総合戦略の骨子案において、行政のDXをビジョンの一つに位置づけられるなど、行政におけるDXの取組を進められております。  今後は、マスクの配布をはじめとする感染症防止対策だけでなく、広域災害等に備える観点からも、行政サービスを受ける住民の視点に立ち、デジタルを活用して行政サービスを提供できる仕組みを基礎自治体とも連携して組み立てる準備をしていくことが重要だと考えますし、それらを設計することは、今後のデジタルシフトを早め、行政サービスの向上にも大きく寄与するものと考えます。  また、デジタルを活用した行政サービスの提供とともに、新しい働き方の実践やさらなる業務改善、職員のリテラシー向上など、行政サービスを提供する側のDXももちろん重要であり、県の総合的な取組に期待するところであります。  そこで、お伺いいたします。  コロナ禍の経験も踏まえ、行政のDXについて、今後、どのように考えていくのか、お聞かせください。  次に、新型コロナ関連資金の融資の現状と信用保証協会と連携した経営支援についてお伺いいたします。  全国的に新型コロナウイルス感染症の第3波が拡大する中、医療従事者などのエッセンシャルワーカー、そして全ての県民の皆様の行動に心からの敬意と感謝を申し上げます。  一方で、経済状況を見ると、2020年7月−9月期のGDPは、内外の経済活動の再開を受けてプラス成長となりましたが、過去最大のマイナス成長となった4月−6月期の落ち込みの5割強を取り戻したにすぎず、県内経済の情勢も依然として弱い動きが続いています。特に資金繰りの厳しい中小企業、個人事業者も苦しい状況が続いております。  今回の経済不況では、災害による設備の被害を受け、生産力が低下しているのではなく、自粛とマインドによる消費の落ち込みであるがゆえに、まずは生き残るということが大事であります。  コロナ禍の資金繰り支援については、3月に国の特別貸付制度が開始され、4月に県の新型コロナウイルス感染症対策資金を創設。5月に国の特別貸付けが逼迫している状況を受け、県の全国統一枠や市町と連携した無利子化も開始。さらに経済産業省、金融庁、財務省では、各金融機関に対して、既に受けた融資の条件変更について、事業者の実情に応じて柔軟に対応するよう要請するなど、国や自治体の素早い対応、スムーズな支援策により、多くの中小企業が救われていると思います。  今回のような不測の事態においては、早い段階で保証付融資のメニューが策定され、民間金融機関が窓口となり、スピーディーに融資が実行されたことは評価すべきことだと思います。  一方で、信用保証への過度な依存が進んでしまうと、金融機関にとっては、事業性評価融資やその後の期中管理、経営支援の動機が失われたり、中小企業にとっては、資金調達が容易になるがゆえに、経営改善への意欲が失われたりといった副作用があると指摘もされています。  このため、平成30年に信用補完制度が見直され、信用保証協会と金融機関の連携が強化されるとともに、同協会の業務に中小企業に対する経営支援が追加されていますが、現在のコロナ禍にあっては、県内事業者の多くは、生活様式の変化により、ビジネスモデルの見直しに迫られながら、足元の資金繰りへの対応に追われ、事業転換などの経営改善への一歩を踏み出しにくい状況にあると思います。また、金利が下がっている今日において、保証料の負担は大きく、今、中小企業に行うべき支援は、資金枠の確保と保証料の負担軽減であります。新型コロナウイルス感染拡大の第2波、第3波が来るように、中小企業、個人事業者にも資金繰り難の第2波、第3波が来ることが当然予想され、新型コロナウイルス感染症対策資金のさらなる拡充の準備も必要だと考えます。  そこで、お伺いをいたします。  新型コロナ関連資金の融資の現状をお聞かせください。また、信用保証協会と連携して、中小企業、個人事業者の経営支援にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、県内の水道事業についてお伺いいたします。  現在、愛媛県内の水道事業は、末端給水が20事業体、用水供給が2事業体、合わせて22事業体によって給水が行われております。また、企業会計としては、平成29年度決算において、県内で合計32事業があり、地方公営企業法適用23企業では、21企業が経常黒字を維持しており、収支としては37億円の経常黒字となっています。  しかし、各団体とも、施設等の老朽化に伴う大量更新時期の到来、人口減少に伴う料金収入の減少、南海トラフ巨大地震等を想定した耐震化の促進など、経営環境における課題は厳しさを増している状況です。  全国的にも同様の課題を抱えており、平成28年には総務省から、市町村等の水道事業の広域連携に関する検討体制の構築等についてが通知され、都道府県においては、市町村を包括する広域自治体として、広域連携を検討するようにとの要請がありました。また、平成30年には水道法が改正され、関係者の責務の明確化や適切な資産管理の推進、水道基盤強化計画の策定等による広域連携の推進、官民の連携などが盛り込まれています。  このような背景の中、愛媛県においても、平成28年に愛媛県水道事業経営健全化検討会が設置され、検討結果が取りまとめられましたが、今後40年の収支シミュレーションでは、収支はマイナス3,567億円となり、不足額としては支出合計の約4分の1、料金改定等を行わないまま既存の施設規模を維持するという前提では、支出に対して収入が大きく不足する将来像が示されました。  また、東・中・南予のブロック別ワーキンググループでの意見では、事業統合について、東予では、合併後の旧町の料金統一もされていない中での他市との統合の検討は困難。中予では、点在する簡易水道が多数あり、事業統合は非現実的。南予では、宇和島市と津島水道企業団の事業統合については、今後、関係市町で詳細を詰めていくことになる。南予水道企業団と受水団体の事業統合については、共倒れにならないために検討を進める必要があるとの認識だが、料金をどうしていくかが大きな問題であるとのことでした。  施設の維持管理については、東予では、共同委託によるスケールメリットが働き、24時間対応できる体制の可能性もある。中予では、電気保安事業の共同委託は、条件次第では可能。南予では、平成30年7月豪雨災害の影響により、個別具体の議論に至っていないが、共同発注等の可能性を探りたい旨の意見が複数出たとのことでした。  このような現状を鑑み、災害対応は、全事業者が日本水道協会に加入し、同協会を中心に応援体制の強化を図ることになりましたが、事業統合については、東・中・南予のブロックによって温度差があり、県下全域での統合は難しいものの、ブロックによっては、まとまる解決手法があることも示されたため、水道事業の将来像について、辛抱強く継続して議論と検討を進めていくことが重要だと考えます。  そこで、お伺いいたします。  県内の水道事業の健全経営について、県がどのように考えているのかお聞かせください。  また、平成30年7月豪雨災害等を踏まえ、国は水道施設の緊急点検を実施し、特に優先度の高いものを2018年度からの3か年で対策を講じることとなっていますが、現在の整備状況と今後の県の対応はどうか。併せて、災害時等の迅速な復旧に備えた資機材のストックが必要であると考えますが、県はどう取り組んでいるのか、お聞かせください。  次に、結婚・出産・子育てへの取組についてお伺いいたします。  本県における人口減少問題の要因である少子化の流れのうち、合計特殊出生率は、2004年の1.33を底に少しずつ回復する傾向にありますが、2019年では1.46と、全国平均の1.36は上回っているものの、人口置換水準の2.07にはかなり乖離があるのが現状です。しかし、今後の高齢者人口の増加は小さくなるとも推計されていて、子供の数が増え、社会全体が若返れば、人口構造が変わる可能性は残されています。  この少子化問題に対応するためには、結婚を希望する人が結婚し、子供を持ちたい人が安心して妊娠・出産・子育てができるための一貫した切れ目のない支援が必要であり、行政をはじめ、支援団体、企業、地域と一体となってその意義を共有し、社会全体で実行していくことが求められています。  少子化問題の入り口である結婚については、女性の社会進出の増加のほか、子育てや教育の経済的負担などを背景に、未婚率の上昇や平均初婚年齢の上昇、いわゆる晩婚化が進行し、晩産化を招くことが大きな課題だと指摘をされていますが、2019年の本県の婚姻件数は5,360件であり、2010年の6,922件と比較すると、10年間で22.5%の減少となっています。  さらに今年は、新型コロナウイルス感染症の影響があり、県内全域での速報値は出ておりませんが、松山市だけの婚姻届受理件数は、2020年度の上半期1,061件であり、前年同期比80%という数字になっており、これが外出自粛の影響による一時的なものなのか、コロナ禍における中長期的な傾向なのかは、これから注視をしながら、原因を浮き彫りにし、必要な施策を講じていくことが重要です。  また、婚活支援事業を行っている株式会社NLCCが婚活中の20代から40代の男女を対象に行ったコロナ禍の婚活事業に関する調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大は婚活に影響していますかとの質問に、87.9%の方がはいと回答しており、また、どのようにして婚活を継続していますかとの質問には、マッチングアプリの利用が42.8%、婚活サイトなどオンラインサービスの利用が11.2%、結婚相談所の利用が8.1%、Zoom等を使った少人数オンライン婚活サービスの利用が4.4%となっている一方、中断せざるを得なくなっていると回答した人が32.6%となっています。ほかの結婚相談所アンケート調査においても、出会いがなくなった、婚活パーティーに参加できなくなったとの回答が5割以上あり、対面での出会いの機会が減ったことが明らかになっています。その一方で、約半数の方がオンラインの出会いに参加したとの回答があり、オンラインの出会いに抵抗感が薄れた傾向が見られます。  愛媛県においては、全国でも先進的な結婚支援事業を行っており、特に愛結びは、自治体の婚活支援としては全国で初めてビッグデータを活用したレコメンド機能で、毎年蓄積されていくデータを基に、申込者の好みに合いそうな相手だけでなく、申込者のことを好きになりそうな相手まで抽出し、お見合いを受けてもらえる確率が大幅にアップするなどの成果を上げております。  また、行政の婚活支援事業としては珍しいスマートフォン向け婚活アプリも提供されており、コロナ禍で出会いの機会が減っている婚活者にとっては、オンラインの婚活事業にも入りやすい環境が整っているのではないかと思います。  そこで、お伺いいたします。  コロナ禍により、県の結婚支援事業にどのような影響が生じ、また、オンライン婚活に今後、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。  併せて、妊娠・出産に関してもお伺いいたします。  厚生労働省では、政権が変わり、不妊治療の保険適用拡大に向けての検討が本格化してきています。現在、不妊の心配をしたことのある夫婦は3組に一組を超え、その半数が、実際に検査や治療の経験があると言われ、不妊に悩む夫婦の割合は増加傾向にあります。一刻も早く国の支援の充実が図られ、選択の幅を広げる一助となることを望んでいます。  一方で、大切なことは、不妊治療に至るまでに若いうちから、子供を持つことや妊娠適齢期について考える機会を持つことが重要だと思います。  妊娠の確率論という観点では、卵子は出生後、新たにつくられることがなく減少し続け、年齢とともに妊娠しにくくなります。女性の妊娠率は、19歳から26歳で約50%、27から34歳で約40%、35から39歳で約30%と減少し、男性の視点でも、パートナーが妊娠するまでの期間が20代で約6か月、30代から40代前半で約10か月、40代後半では約1年半と、男性の加齢も妊娠率に影響していきます。また、子供に先天的な異常が現れるリスクは、年齢とともに増加し、周産期死亡率も高まります。  国際的に実施された調査によると、日本人女性のうち、子供を持つことを望み、12か月間の性生活によって妊娠しない場合、そのカップルは不妊であると分類されることを理解していた人は28%、女性は36歳を過ぎると受胎能力が落ちると理解していた人は27%で、妊娠・出産に関わる正しい知識や理解を示す、いわゆる妊娠・出産リテラシーは、世界でも最低レベルであります。  この背景には、学校教育における保健体育の教科書は、少子化問題が叫ばれるようになった今日においても、性病予防と避妊が主体であるのも大きな要因だと思いますが、女性のみならず、男性も必要な知識であり、家庭や社会で学ぶ必要があります。そして、妊娠・出産を希望する人が、自身のイメージする年齢で妊娠・出産できる可能性はどのくらいなのか。それを踏まえて、ライフプランをどのように立てるかを考えることも重要だと思います。  また、晩婚化、晩産化のもう一つの要因としては、妊娠適齢期にキャリアか結婚かを選択しなければならない環境があり、キャリアアップを選んだ場合に、適齢期を逃してしまう傾向があります。  平成30年少子化社会対策白書によると、第1子出産時の女性の平均年齢が30.7歳であることを考えると、大卒で勤続8年と考えられ、この時期は業務経験が積み重なるタイミングでもあり、離職をしたくないタイミングでもありますが、現代社会のライフスタイルの変化は、この適齢期を逸脱した妊娠を増加させていることを企業にも認識してもらい、その上で、企業における女性の早いキャリアアップ制度の創設、産休・育休制度の取得率向上やロールモデルの確立、男性の意識改革を進めていくべきであります。つまりは、妊娠・出産リテラシーをしっかりと持ってもらう環境整備に取り組むことが出生数の回復にもつながると思います。  そこで、お伺いいたします。  県民の妊娠・出産の知識、理解を深め、結婚・出産・子育ての希望がかなえられるよう、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 帽子議員に、まず、コロナ禍におけるデジタルマーケティングを活用した観光振興について、お答えをさせていただきます。  県では、全国に先駆けてデジタルマーケティングを導入し、海外誘客に続き、昨年度からは、国内誘客でも活用を開始したところでもございます。  具体的には、「疲れたら、愛媛。」の動画閲覧状況を分析して、若年女性を中心に、県公式観光サイトいよ観ネットへ誘導する広告を配信した結果、アクセス数は前年度比約1.5倍になり、旅行予約サイトにも誘導することで、より効果的な旅行者獲得が図られたのではないかと考えております。  今年度は、安全・安心重視等の旅行者の意識変化を捉えまして、オンライン旅行会社のサイトで感染防止策を徹底した宿泊プランの紹介やマイクロツーリズムの促進に向けた広告配信等に取り組んでいるほか、サイクリングサイトの閲覧者などの情報が蓄積された愛媛県データマネジメントプラットフォームも活用し、アウトドア系のアクティビティー情報の発信を現在予定しているなど、コロナ禍での興味・関心等のデータ収集も行いながら、交流人口の拡大を図っているところでございます。  今後は、これまでに得られた興味・関心等の分析結果を、愛媛DMOと連携して、市町及び観光関係者等と共有し、地域の観光コンテンツの磨き上げや効果的なプロモーションに迅速につなげるとともに、宿泊旅行代金割引の利用者等をターゲットにした広告配信などによるさらなるアプローチで再訪意欲の向上を図るなど、デジタルマーケティングを活用しながら、観光客誘致に積極的に取り組んでまいりたいと思います。  次に、デジタルトランスフォーメーションについての御質問でございます。  3年前上京して、IT関連の企業から最新情報をお聞きしたときに、デジタル技術の活用が今後の県勢発展の鍵となるんではないかと考えまして、それをきっかけに観光誘客や営業活動等の分野でデジタルマーケティングの手法を導入することといたしました。そして、5Gを活用した遠隔医療モデルの構築や農家への普及指導など実需の創出をはじめ、暮らしや産業の利便性向上につながる独自政策を模索して積極的に展開してきたところでございます。  また、今年度、コロナ禍で地域間の移動や人と人との接触が大きく制限される中、オンラインによる商談会や移住フェア、遠隔授業など、新たな手法を迅速に導入して、地域経済の立て直しや地域課題の解決に取り組むとともに、えひめコロナお知らせネットの運用やSNSによるリアルタイムの情報発信等を通して、県民の安全・安心の確保に努めているほか、テレワークやウェブ会議の利用拡大、スマートオフィスの整備など、新たな日常に対応した働き方改革にも挑戦をしているところでございます。  今後は、市町との連携を一層密にし、業務システムの標準化や職員のデジタルリテラシーの向上に取り組むほか、行政手続のオンライン化や県民へのプッシュ型サービスの提供等を目指すこととしており、総合戦略に掲げた県民本位のスマート愛媛の実現に向け、県民誰もがいつでもどこでも最適なサービスを受けられる行政のDXを推進してまいりたいと思います。  その他の御質問につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(高石淳総務部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高石総務部長   〔高石淳総務部長登壇〕 ○(高石淳総務部長) 県内の水道事業に関する御質問のうち、健全経営についてお答えいたします。  水道事業を取り巻く経営環境は、人口減少に伴う料金収入の減少や施設・管路の老朽化等により、急速に厳しさを増しており、住民生活に不可欠なライフラインを維持しながら健全で持続的な経営を確保していくには、将来見通しを踏まえた経営基盤の強化が必要であります。  このため、県では、県内の各水道事業体における中長期的な経営の基本計画策定を支援しており、当該計画に基づき実施する経営改革に加え、将来的には広域化の推進が必要と考えられますことから、水道広域化推進プランを策定し、事業統合も含めた多様な広域連携の選択肢を示すことにより、広域化に向けた検討を促すことといたしました。  現在、各事業体の意見も聴きながら、広域化の推進方針等を検討し、実効性のあるプランの策定を進めているところであり、現時点で事業統合の方向性を打ち出している団体に対しては、その取組を重点的に支援するとともに、その他の団体に対しては、将来的な事業統合も見据えながら、施設管理の共同化や事務の広域的処理、民間活用等による経費の削減や効率化の取組を促すなど、地域の実情に沿った健全経営を支援してまいりたいと考えています。  以上でございます。 ○(岸本憲彦県民環境部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 岸本県民環境部長   〔岸本憲彦県民環境部長登壇〕 ○(岸本憲彦県民環境部長) 県内の水道事業に関する御質問のうち、国による水道施設の緊急点検等に関する御質問にお答えいたします。  西日本豪雨災害等を踏まえ、国が実施した水道施設の緊急点検において、県内では、停電や浸水、土砂災害対策が必要な施設として13市町の14施設が抽出されましたが、このうち配水池1施設は整備済み、浄水場3施設は今年度中に、水源地1施設は令和7年度中に整備完了予定となっております。  残る8市町の9施設は、市町の厳しい財政状況の中、耐震化を優先していたり、国の補助要件を満たさないことなどから、今後の対応を検討中でありますが、県では、国への重要要望等におきまして、今年度終了予定の緊急対策に係る補助制度の恒久化のほか、補助要件の緩和や補助率のかさ上げ等を強く要望いたしますとともに、市町に対し、早期の施設整備や災害等緊急時の応急給水体制などについて、随時、指導・助言を行っております。  また、災害時の迅速な初動体制の確立と復旧を図るため、県では、市町と地元管工事組合等との資機材の提供を含む応急復旧協定の締結を促し、昨年末に全市町において締結を完了したほか、広域的な資機材の調達や応援体制の構築を目指し、平時から日本水道協会県支部と市町等の資機材のストックや人員配置に係る情報共有や確認などを行っており、今後も安全・安心な水の安定供給に向け、市町や関係団体等と連携し、強靱な水道施設の整備と危機管理体制の強化に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高橋保健福祉部長   〔高橋敏彦保健福祉部長登壇〕 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 結婚・出産・子育てへの取組の御質問のうち、まず、コロナ禍のオンライン婚活についてお答えいたします。  本県では、えひめ結婚支援センターを核に、希望者に対する愛結びでのお見合い支援など、独自の結婚支援を推進していますが、コロナ禍では、対面でのイベント開催が困難となり、本年10月末現在、昨年同時期との比較で、結婚支援イベント件数が約7割減、お見合い件数が約2割減、カップル成立数は合計399組と5割弱にとどまるなど、結婚支援事業に影響が生じていると認識しております。  このため、県では、デジタル通信を活用したリモート形式で出会いの場を提供できるよう、既存のシステムとビデオ会議機能を組み合わせたオンライン婚活を7月から試行的に3回実施しているところであり、対面同様にカップルが成立し、参加者からは、今後も利用したいとの感想が寄せられるなど好評でありました。  オンライン婚活は、コロナ対策だけではなく、その利点として、居住地を問わず参加可能で、イベント開催後の交流が容易であることなど、利便性も高いことから、国の交付金を活用し、オンライン婚活の早期本格導入に向け、システム改修を進めており、今後とも市町や企業、団体等と連携しながら、本県オリジナルの効果的な結婚支援に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、妊娠・出産の知識、理解を深める取組についてお答えいたします。  生活様式や働き方が変化し、晩婚化、晩産化が進む中、第2期えひめ・未来・子育てプラン(後期計画)では、母性の健康管理をはじめ、安心して子供を産み育てられる環境の実現に向け、家庭、職場、地域等の各主体が相互に連携、協働し、社会全体で結婚から子育てまでの切れ目のない支援に取り組むこととしております。  県では、妊娠・出産に係る県民の知識、理解を深めるため、命や子供を身近に捉え、将来を考える機会として、中学生の乳幼児触れ合い体験や、大学生が自ら仕事・結婚・子育てについて考えるライフデザイン講座を開催したほか、現在、保健所や学校等が連携し、県医師会の協力も得ながら、妊娠・出産の正しい知識の普及を図る児童生徒向けの健康教育の推進に努めているところでございます。  さらに、妊娠・出産の正しい理解を基に、結婚から子育てに至る各ステージの希望がかなうよう、20代対象の結婚支援イベントの開催をはじめ、子育て応援アプリきらきらナビによる情報提供のほか、えひめ仕事と家庭の両立応援企業認証制度の普及による育児と仕事の両立促進を図っており、今後とも結婚や子育てのしやすい愛媛づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(東野政隆経済労働部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 東野経済労働部長
      〔東野政隆経済労働部長登壇〕 ○(東野政隆経済労働部長) コロナ資金の現状と信用保証協会と連携した中小企業等支援についてお答えをいたします。  県では、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中小企業等の資金繰りを支援するため、市町と連携して、融資枠2,000億円の無利子県単融資制度を創設するとともに、信用保証料の補助も行いながら、10月末までに約8,000件、1,400億円の貸付けを実行しているところでございます。  今後、年度末にかけて、さらなる資金需要の高まりも懸念されますため、全国知事会を通じて、国にコロナ資金の延長等を要望しており、金融機関にも協力をお願いすることとしております。  また、経営基盤脆弱な中小企業等がアフターコロナを見据えた新たなビジネスモデルの構築、生産性の向上などに取り組んでいくためには、信用保証協会信用補完制度を活用した資金繰り支援に加えまして、経営力を向上させる経営改善が重要であり、県では、新たに協会が取り組むこととしております経営課題解決のための伴走型経営支援を後押ししたいと考えております。  さらに、協会が行います専門家による経営相談や経営改善計画策定支援において、県による各支援制度の活用を促していただくなど、引き続き、県と協会で十分連携を図りながら、中小企業等の事業活動の継続や新たなビジネス展開を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(戒能潤之介議長) 暫時休憩をいたします。      午前10時46分 休憩    ―――――――――――――――――      午前11時4分 再開 ○(戒能潤之介議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(石井智恵議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 石井智恵議員   〔石井智恵議員登壇〕 ○(石井智恵議員) (拍手)おはようございます。  無所属の石井智恵です。  質問に先立ちまして、このたびの新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられました方々に対しまして御冥福をお祈り申し上げますとともに、感染された皆様の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。  そして、日々、感染リスクと向き合い、対応に当たられている全ての県民の皆様に感謝を申し上げ、中村知事はじめ県職員の皆様の御努力に敬意を表します。  また、このたびは報道関係者の皆様におかれましても、連日、詳細な情報を発信していただき、深く感謝を申し上げます。そして、本日はコロナ禍ということもあり、ケーブルテレビやインターネットで議会を傍聴していただいている方も多いと思います。日頃より県政に関心を持って御意見をいただき、誠にありがとうございます。  さて、質問も最終日になっておりますので、私からは、新型コロナ対応について、総括的な内容として、愛媛県の危機管理体制、そして、住民に向けてどのように情報発信していくのか、最後に、地域医療の在り方について取り上げてみたいと思います。  私は、医療の現場で20年以上働いてまいりましたが、医療を学んだ場所や働いた場所は、岡山、大阪、神奈川、東京など全国にわたり、また、アメリカの病院で学んだこともありました。愛媛県においては、愛媛大学病院の地域連携室や基幹病院、開業医に勤務し、議員になる前までは介護の現場で働いておりました。学生時代の友人には保健師をしている人もいます。そのため、友人やかつての同僚など幅広い分野から、今回の新型コロナウイルス感染症に関して、直接話を聞くことができました。  その中で感じたことは、いかに迅速に正確に情報を共有していくことが何よりも重要であるということでありました。ウイルスが感染していく速度は、このグローバル社会においては、世界中に広がるスピードは速く、また、今回の新型コロナウイルスは非常に強い感染力を持っていると早期から警告されていました。住民の命を救うのは、どんな小さなことでも見逃さない情報収集能力と事態を早期に予測していく分析力、そして、積極的に情報発信していくことが重要であります。今回は、各専門家の提言を参考にしながら、情報を一つのキーワードにして質問してまいりたいと思います。  まず初めに、危機管理における対策本部の在り方についてお伺いいたします。  愛媛県下における新型コロナウイルス感染症対策において、意思決定を行う最高機関は対策本部にあると考えております。世界同時多発的に発生したパンデミックにおいては、県内外、そして海外の動向など情報を集め、各部局と情報を共有し、愛媛県としての方針を決定していかなければなりません。そして、県民に分かるように意思決定プロセスを明確にし、情報公開を行っていく必要があります。今回のように未知のウイルスに関しては、世界中の研究者が様々な研究発表を出しており、ウイルスに関する情報や対策についても、時間の経過とともに変化しておりました。そのため、第三者的立場の専門家を交える際には、意見の偏りがないよう多方面から人材を集め、判断していく必要があります。  感染症の対策は、自然災害と違って、事態が起きる前から事前に協議しておく必要がありますが、他県では、中国武漢発生のニュースが報じられてすぐに対策に乗り出し、国内で初めて感染者が発生した1月には、対策本部を立ち上げている自治体もありました。しかしながら、愛媛県の対策本部は、県内で初めて感染者が確認された3月2日の日に立ち上げており、事態が起きてからの対応となってしまっておりました。組織体制の整備については、初動が遅かったと考えております。  また、対策本部会議の議事録を拝見してきましたが、松山市との合同会議の議事録は、知事からの報告と松山市長の挨拶のみで、5分程度で終わっておりました。これでは、あらゆる分野で協議がなされたとは言えないのではないでしょうか。その後、県内20市町との合同会議は開催されていたものの、重要な意思決定機関である対策本部会議は、6月から11月初旬まで開催されておらず、感染者が急増した11月20日に再開していますが、感染症は長期にわたる対策が必要であり、常に各部局と密に情報共有していく必要があったと思います。  国の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の尾身茂氏によると、感染症対策は、感染症が発生する前の平時から様々な事態を想定して、対応や体制を事前に計画、準備しておくことが基本である。同じように、緊急時のリスクコミュニケーションにおいても、それに担う組織やスポークスパーソンのトレーニングなど、体制を整えておくことや、メディアとの連携の構築を含めて、平時における事前準備が欠かせないと述べています。  あらゆる事態を想定し、計画、準備していくために、どのような想定をしていかなければならないのでしょうか。災害対応マネジメントではアメリカに学ぶことが多く、危機管理の世界標準とされるインシデント・コマンド・システムは、緊急時における標準化された組織マネジメントの手法としてあらゆる災害に当てはめることができるとされ、日本でも普及し始めています。例えば、複合的な災害では、一度に多くの人が1人の監督者に報告してしまうことで対応し切れなくなることや、関係機関との間での調整が困難となるため、事前に役割分担など十分な計画を立てておく必要があります。  愛媛県には、伊方原子力発電所もあり、南海トラフ大地震の発生も懸念されます。危機管理の組織体制づくりは、愛媛県の最大の課題であると考えております。最悪な状況を想定し、危機を乗り越えていくためにも、組織マネジメントの重要性を感じております。これまでの愛媛県の感染症に対する危機管理体制について検証し、さらには、今後、自然災害や原発事故、テロなどといった緊急事態が複合して発生するおそれもあり、その際にも迅速に対応できるよう、組織体制の在り方について、改めて検討していただきたいと思います。  そこで、次の4点についてお伺いします。  第1に、愛媛県の対策本部の役割は何か。設置時期やこれまでの対策本部会議の在り方について、どのように考えているのでしょうか。  第2に、今後、各担当部局と連携し、情報共有や県民に対しての情報公開をどのように行っていくのでしょうか。  第3に、幅広い知見に基づく意思決定を行うために、第三者的立場での専門家を交えた情報収集の在り方、検討の仕方について、県はどのようにお考えでしょうか。  第4に、感染症の対応下において、自然災害と原発事故、テロなどが同時に発生した際の危機管理体制はどのようになっているのでしょうか。  次に、愛媛県における感染症に対する危機管理広報、すなわち記者会見の在り方についてお伺いいたします。  生命を脅かすような危機的状況が発生した際に、その事態を住民に知らせ、対外的にも発表していかなければならない場合の危機管理広報の役割は重大です。住民がパニックになるのではないかと恐れ、過小評価して伝えてしまうことやそんなに恐れることはないと住民に伝えることは、かえって混乱を生み、対策が遅れ、被害が拡大するおそれがあるため、絶対に避けなければなりません。  これまでかつて経験したことがない緊急事態において、世界各国のトップが国民にメッセージを出す姿が報じられ、国内においても、政府や各都道府県知事が一斉に記者発表する場面を目にしてまいりました。このようなとき、トップが発信するメッセージや危機に立ち向かっていこうとする姿がどれほど重要であるか、思い知らされたように思います。特に危機管理の上で、住民に向けての発表は、現場の状況を熟知している人間が現状を説明し、最高責任者が方針を述べるといった広報が求められると思います。  今回、愛媛県では、知事が毎回記者会見していくことで県民の多くに注意喚起することができ、ボードで発生状況を説明するなど分かりやすく伝えていたとは思いますが、感染症のような医学的見解が必要な場合は、専門家を交えて会見をしたり、保健福祉担当者が状況を説明し、その上で知事が方針を打ち出していくことで、より県民に対して信頼できる情報発信ができたのではないかと考えます。  また、愛媛県内における新型コロナウイルス感染症の発生についての記者発表の時期は、感染が確認された翌日の午後に記者会見をするという場面が多く見られました。報道機関や関係機関からの発表が先行したり、また、県の情報よりも詳細な情報を報道において知る場面が多く、県の発表の遅さや不明瞭な情報に不信感を覚える住民も多くおりました。  このような場面を回避していくために、どのような危機管理広報がよいのかについて、クライシスコミュニケーションのスペシャリストである蝦名玲子氏によると、感染症が発生した場合の情報発信は、どこよりも先に正確な情報を出すこと、ほかで情報を出すようになれば、住民はそちらを当てにするようになり、信頼されなくなると述べており、情報元である愛媛県の発表は、どこよりも早く詳細に情報提供していく姿勢が必要であると思います。  発表する内容に関して、非公表のものが含まれることが多くなることも不安を与える原因となります。蝦名氏は、人々がパニックに陥るのは、悪いニュースを聞かされたときではない。人々がパニックに陥るのは、一部の情報が非公開にされ、真実が伝えられないと感じ、何を基準にして意思決定していいか分からないときであると述べており、個人のプライバシー保護を優先していくことを前提にしながら、住民への情報公開にはより透明性のある内容が求められます。さらに蝦名氏は、住民の不安に共感することも重要だと指摘しています。誰しも不安な気持ちになることや不満や怒りを持つことは当然であり、それを受け止め、共感していく姿勢を見せていくことで混乱も収まっていくと考えます。  また、記者会見で繰り返し述べられてきた誹謗中傷に関する注意喚起においては、どのような表現が誹謗中傷になるのか、具体的な事例を挙げて注意喚起していく必要があったと思います。住民がSNSで不安や不満を漏らす場面があれば、その不安な気持ちの表現を共感し、受け止めていく姿勢をもって、情報発信していくことが大切だと考えます。  危機管理広報アドバイザーの前田めぐる氏によると、誹謗中傷と批判は別のものであり、中には、愛情があるからこその健全な批判や、もっとよくなってほしいという気持ちからの批評もあると提言されています。愛媛県内では、住民が自ら積極的にSNSで注意喚起したり、差別をなくそうと呼びかけるSNS投稿も多く見られました。このように、住民が自主的に自己防衛していこうと行動している姿を後押ししていく姿勢も必要だと思います。  そこで、お伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症対策における危機管理広報について、どのような考えで行い、今後、どのような方針で行うのか、お聞かせください。  次に、住民との情報共有についての在り方として、まずは、県民のニーズを把握していく方法についてお伺いいたします。  自治体の広報、広聴は、住民からの意見を聞き、住民の真意を知り、政策へとつなげ、情報発信していくものでありますが、危機が発生した際に、住民がどのようなことに困っているのかを知る一つの方法として、ホームページのアクセス分析があります。多くの人は何か調べるときにインターネットで検索をしていくと思いますが、住民がどのような検索キーワードで県のホームページにアクセスしたかを調査することによって、何を求めているのかを予測することができます。  関東学院大学法学部地域創生学科准教授の牧瀬稔氏によると、緊急時こそ、このアクセス分析によって住民のニーズを知ることができ、滞在時間やどの地域からアクセスしたかを調べ、データを蓄積していくことで、訪問者の特性や行動も推察できるとしています。  愛媛県で新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた3月から6月までの県のホームページへの検索キーワードを調べると、上位100位までのキーワードの中で、実に74件が新型コロナウイルス感染症関連で検索をしていました。中には、「愛媛県 コロナ 速報」、「愛媛県 コロナ 最新」というキーワードでの検索ワードも多く、いかに県民がより早い情報、最新の情報を知りたかったのかということが、この検索分析から分かります。また、消毒液の作り方のキーワードも多くあり、消毒に関する方法を求めていたことが分かります。  このように、直接問合せがなかったとしても、県民のニーズを知ることができ、そのニーズに合わせてSNSで情報を発信すれば、おのずと県民への有効な情報発信ができるようになります。日本大学危機管理学部教授の福田充氏は、広報を行う部署は、広報紙やホームページで情報提供するだけではなく、国内外の情勢に関する情報を収集し、分析、社会に対して幅広く広聴すると同時に、人々の世論や行動に対して社会調査を実施することによって、リスクコミュニケーション活動と結びつけなければならないと提言をしています。  コロナ禍において、多くの県民が県の対応に期待し、また、不満を持ち、要望を伝えたいとする声が今までにないほど高まっていたと思います。その住民の声を聞き、それに応えていこうとする姿勢が求められていると思います。  そこで、2点お伺いいたします。  第1に、新型コロナウイルス感染症対策に関して、最初の感染者が確認された3月から11月までの間のホームページアクセスに関して、どのように分析し、活用しているのかお教えください。  第2に、コロナ禍において、今後、より多くの県民の声を聴くために、どのような取組を行っているのか、お教えください。  次に、自治体SNS活用についてお伺いいたします。  今や、国民のインターネットの利用は、ホームページからSNS利用へと変化しています。また、電話を使う若者はごく少数であり、多くはSNSでコミュニケーションを取っています。コロナ禍において、自治体の多くが電話相談窓口を設置していましたが、若者の利用数は少なく、全国SNSカウンセリング協議会の調査によると、電話相談からLINE相談に変えたところ、26.4倍も相談件数が増えたとしています。また、SNSの情報は一目ですぐに分かり、短い文章で必要な情報を住民に届けることができるため、緊急時は重要な情報発信ツールとなります。  今や住民への情報提供や相談窓口、コミュニケーションの在り方も、SNSを中心とした対応へと変化しています。まさにSNS活用の戦国時代といっても過言ではないほど、各地域で独自の住民サービスを行い、国内外へのPRへと幅広く展開しています。PR動画配信においても、きれいな音楽と映像だけでは、もはやほかの自治体との差別化は図れません。実用的な活用として、現在は、災害時に住民から危険箇所の写真や映像を投稿して通報してもらうシステムを導入したり、また、河川の状況を監視カメラで撮影し、ユーチューブでライブ配信しながら、住民に状況を知らせている自治体もあります。  コロナ禍においては、国が、学生支援緊急給付金の申請においてLINEを活用し、学生証やバイトの明細書をカメラで撮影して申請できるようにし、学費が払えない学生に対応したり、自殺防止の相談のため、LINE相談を設置していました。そのほか、児童虐待に関する相談やひとり親の相談、妊娠・出産の相談窓口なども、SNSを活用して対応している自治体もありました。SNSの利点は、経費がかからず、効果的に住民にサービスを提供することができ、莫大なお金をかけなくても、職員の手によって手軽に作成することができます。  また、SNSの種類には、ストック型とフロー型があり、ストック型はウェブサイト、ユーチューブなどを言いますが、県民により分かりやすく伝えたい場合には、ユーチューブなど動画で説明し、情報提供することができます。先ほどの質問の中で取り上げたホームページの検索で、消毒液の作り方の検索数が多い場合、例えば動画で消毒液の作り方の実践をする動画を作成し配信したり、えひめ版協力金申請の方法を動画で作成して説明することもできます。ユーチューブはSEO対策にもなり、必要なキーワードで検索をすればすぐに見ることができるため、例えば住民への説明が複雑な場合や知りたい情報を検索して分かるようにしていくことで、電話で説明をしなくても、スムーズに対応ができるようになります。  そして、フロー型と言われているものにはツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどがあり、これらは時間の経過とともに情報が流れてしまいますが、迅速に最新の情報を提供する際に有効です。  SNSはコミュニケーションツールでもあるため、住民からの質問に回答していき、問題解決を行っていくことができ、ユーザーの年代、性別、地域など属性を分析できるため、ニーズに合わせて状況提供していくこともできます。  また、アプリなどを使って気軽に住民が相談でき、個別に対応した回答を送ることができるサービスを導入する自治体も増えてきました。アプリの活用により、住民一人一人の年齢、生活環境に合わせて情報配信ができるようになります。そして、AIや5Gなどが進化すれば、さらに住民の多様なニーズに応えていくことができると思います。コロナ禍で人と人とのつながりがさらに希薄になり、孤立しがちな社会の中で、住民が困ったときにはすぐに対応でき、住民と行政がつながり、よりよいコミュニケーションを取ることが何よりも大切であると考えます。そのためにも、より多くの住民に利用してもらえる方法も考えていかなければならないと思います。  そこで、今後の愛媛県のSNS活用について、2点お伺いいたします。  第1に、住民からの相談やコミュニケーションを図るため、住民ニーズを踏まえた情報提供について、今後、どのようにSNSを活用していくのか、お教えください。  第2に、緊急時において災害情報の発信など、SNSをどのように活用しているのか。また、今後、どのように活用していくのか、お教えください。  最後に、地域医療の情報共有システムについてお伺いいたします。  感染症における医療体制では、いかに早く関係機関と情報を共有し対応できるかは、患者の命を救えるかどうかを左右する重要な課題でありますが、今回の新型コロナウイルス感染症対策について、感染者の情報の連絡をファクスや電話、メールなどで行い、その情報共有の在り方が問題となっておりました。このような現状から、ほかの自治体では、早期にIT企業とコラボし、情報共有システムを立ち上げている自治体もありました。  私は、本年5月に、医療、介護、教育関係者らと新型コロナウイルス感染症対策推進協議会を立ち上げ、現場のヒアリング、アンケート調査、医療行政の政策立案を行ってまいりました。  その政策立案の中の一つとして、広域災害救急医療情報システムを準用したプラットフォームを整備し、救急車と保健所、医療機関、介護現場とを情報を共有し、連携するシステムを提案してまいりました。その後、全国共通の情報共有システムHER−SYSが運用されることになり、愛媛県も6月に導入することになりましたが、現在、HER−SYSは運用上の問題が報道されています。利用する医療機関は11月時点で4割しかなく、運用については利便性が悪く、入力項目が症状、感染経路など約100項目にも及び、最低限の入力でよいとしながらも、パソコンの画面をずっとスクロールしなければならず、プリントアウトは何枚にもわたるという苦情が出ていると聞いています。これでは現場の負担をさらに重くし、本末転倒と言えます。  また、HER−SYSでは、救急現場、介護現場との連携は入っておりません。患者情報は命に関わるため、関係機関と迅速に連携していくことは喫緊の課題であります。医学博士の奥真也氏は、世界のトレンドは医療情報の活用に向かっている。すなわち、医療情報が個人のプライバシーに密接に関わる存在であり、プライバシーが優先されるべきことを前提としつつも、社会の共有財産としての医療情報の価値を最大化し、医療の発展に役立てようとしていると述べています。  今回のパンデミックにより、医療に関する情報活用の精度が高まり、それを生かしていこうと世界中が動いています。現在、全国でオンライン診療、遠隔医療などが広がってきておりますが、コロナ禍で急速に進められた情報共有システムは、デジタル化によってさらに進化しようとしています。  厚生労働省では、2018年から、医療、介護、個人の健康管理情報などこれまで分散していた情報を連結させビッグデータを構築し、これを基にAI解析などを加え、データをより実効性のあるサービスにしようとするデータヘルス改革を進めてきました。これは、今後、予防医療、健康増進、創薬にも生かしていくことができ、日本の未来の医療はさらに大きく発展していくことが予想されます。  公衆衛生は、組織的な努力を通じて病を予防し、健康増進を図るものであります。その地域に住んでいる人が全員互いに意識を高め合い、協力していくことが重要です。その情報をどう共有し生かしていくのかについて、今回の新型コロナウイルス感染症を通して、いま一度考えていく必要があると思います。  そこで、愛媛県の地域医療の情報共有について、3点お伺いいたします。  第1に、愛媛県内で活用している情報共有システムHER−SYSについての運用状況や医療機関の登録の現状についてお聞かせください。  第2に、救急車と保健所、医療機関、介護現場との情報共有についての現状と今後の方針についてお聞かせください。  第3に、今後の医療の発展のため、国が進めているデータヘルス改革に向けての県の現状についてお聞かせください。  以上で質問を終わります。  ぜひ、住民に向けてのメッセージとしての御答弁をよろしくお願いいたします。  最後に、100年後の未来の県民との情報共有についても考えてみました。歴史は必ず繰り返します。歴史から学ぶ必要があります。100年前にもスペインインフルエンザというパンデミックが起きましたが、愛媛県では、62万6,756人の方が感染し、8,199人もの方が亡くなられました。非常に衝撃的な出来事だったと思います。当時も、対策はマスク、集会の禁止、学校の休業などの措置が取られ、今と変わらない対策でしたが、私たちはその当時のことをほとんど伝え聞くことはありませんでした。第1次世界大戦、関東大震災の混乱によって、スペインインフルエンザは忘れられたパンデミックとも言われており、愛媛県の歴史が書かれた愛媛県史にも、詳細な情報は掲載されておりません。現在のパンデミックは、まだ終息が見えていない状況ではありますが、今後、様々な分野から検証し、記録を残し、次の世代への教訓として伝えていくことは私たちの使命であると思います。  そして、感染症についてもう一つ、受け継ぎ、そして伝えていかなければならないものは、ハンセン病への差別への歴史です。昨年9月議会でも述べましたが、感染症として隔離政策が行われたハンセン病患者は、存在自体を隠され、後遺症があっても、長年病名すら言えなかったと言われております。この歴史を後世に伝えていこうと、ハンセン病療養所世界遺産登録の運動が始まり、私も賛同し、そのあかしとして、ずっとこちらのピンクのバッジをつけています。風化させてはいけないと思っております。人々の混乱、不安、怒り、不満がある中で、それを口にすることすらできないように抑え込まれれば、必ずどこかでひずみが生じます。もっとオープンに話ができるように、住民とのコミュニケーションが必要です。  江戸時代、ペリーが来航し、日本中が混乱した中、老中阿部正弘はアメリカの国書を公開し、大名から庶民まで広く意見を求めました。その中で、無名の勝海舟らの提案も取り上げ、その提案の中に身分を問わない人材の登用という内容も含まれていました。まさに、情報公開と多様性。危機的な状況だからこそ、多様な人材から意見や情報を求め、住民と一体となって最善の策を考えていく姿勢が、今必要なのではないでしょうか。  世界の企業、そして政治も、ダイバーシティ&インクルージョンが合い言葉になり、多様性を受け入れ、一人一人の個性を生かし、組織が一体化される時代へと変化しています。2021年が間もなく来ようとしていますが、この先、どのような世界になるのでしょうか。オンラインでつながり、空間を超えて宇宙にいる人と気軽に通信もできる時代が訪れるでしょう。そのような未来に期待したいと思います。  今議会では、こちらの紅まどんなが飾られておりますが、今回、私はミカンの花のコサージュをつけ、登壇をいたしました。ミカンの花の花言葉は花嫁の喜び。この愛媛で結婚し、幸せを感じる女性も増やしてまいりたいと思います。  以上で終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 石井議員に、私の方からは、新型コロナウイルス対策における危機管理広報についての御質問にお答えをさせていただきたいと思います。  いろんなところに足を運ばれての御質問だと思いますが、公開、公開にこだわられましたので、一言お願いをさせていただきたいと思います。6月ぐらいでしたか、松山市内で病院でクラスターが発生し、その利用者が介護施設にいらっしゃるということで、コロナ班としては、これは大変な事態になるかもしれないという緊張感が走りました。そのときに、石井議員さんが介護施設の方に行かれたという情報が入ってまいりまして、その時点では、介護施設は検査中で結果が出ていませんでしたから、もしここで陽性確認が増えていったら、議員さんも濃厚接触者になるということで、どう対応するかというのを議論いたしました。そこで、議員さんの中で接触があったかどうかも確認し、申し訳なかったですけれども、一部の議員さんには注意喚起と待機をお願いしたという経緯もございますので、ちょっとしたことが非常にコロナの場合は問題になりますので、そこはお気をつけながら活動していただけたらというふうに思います。  さて、新型コロナウイルス感染症は、多くの事柄が解明されていない未知の病気であり、全国そして県内の状況も常に激しく変化してまいりました。このため、主に正確な感染拡大状況や感染防止対策の情報について、私自身が直接県民の皆さんにお伝えすることを基本に、これは情報の一元化という未知なるウイルスとの、敵との闘いにおける基本的な組織マネジメントの基本の考え方でございます。これまで130回以上の記者会見を行い、感染事例ごとの進捗や方針も、専門家の意見も当然のことながら聞いた上で説明してきたものであります。  ただ医学上の知見や専門的な見解につきましては、衛生環境研究所長や県立中央病院長などの専門家が、機会あるごとに県民の皆さんに対し情報発信するとともに、報道機関からの取材にも、皆さん丁寧に対応をしていただいて、カバーしていただいているところでございます。  さて、情報でございますけれども、御案内のとおり、愛媛県内では、感染者に対する誹謗中傷で全国ニュースにもなった案件が生じたこともございました。この影響は非常に大きくて、他県以上に感染された皆さんの不安感を高めている要因になっております。そうしたところにも心配りをしておかなければなりません。  そして、今、最も現場で懸念しているのが、調査への協力という問題でございます。確かに危機管理の専門家の方々は、一般論としては正論を言われていると思いますけれども、恐らく現場で指揮を執った経験のない方も多いと思います。今申し上げたような特殊な事項、そしてまた、感染者の心理、こういったところにも思いをはせながら、現場では指揮を執っていかなければなりません。  もし、保健所の調査が進まなければ後追いの調査ができないことになりますから、当然のことながら感染の拡大に結びついてまいります。保健師さんからもその点への危惧が毎日のように上がってきておりますが、そのことを受けて、感染された方々の意向というものを尊重しながら、調査への協力をお願いするという日々が連日続いております。こうしたような中で、感染者や御家族、勤務先、特定につながるような公表、公表という言葉がさらに感染者の不安感を高めていく、そして調査を難しくしていく、ここにつながっていることを思っていただけたら幸いと思います。  この調査に御協力いただけるかどうかに、感染拡大を抑え込めるかどうかがかかっております。いたずらに情報発信で不安をあおるのではなく、その情報の公表がどのような影響を及ぼすのか、公職に就く者の責任として、よくよく見極めて判断すべきものであると、自分に言い聞かせながら考えているところでございます。
     新型コロナウイルス感染症は、誰が感染したから気をつけるというものではなく、誰もが感染する可能性のあるものとして気をつけていかなければならないと思います。感染回避行動や感染防止対策を県民や事業者の皆さんに着実に実践していただくことが、何よりも感染拡大防止につながるということを改めて強調させていただきたいというふうに思います。  今後とも、公衆衛生上の必要性と個人情報保護とのバランスを踏まえながら、正確な情報を迅速に公表していく方針に何ら変わりはありません。  その他の質問につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきます。 ○(金子浩一企画振興部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 金子企画振興部長   〔金子浩一企画振興部長登壇〕 ○(金子浩一企画振興部長) 住民との情報共有に関する御質問のうち、まず、県民の声を聞くための取組についてお答えします。  県では、これまでも知事への提言メールやポストをはじめ、県政課題や県民世論に関する調査、知事とみんなの愛顔でトークや経済団体との意見交換会など様々な手法を通して、県民の皆さんの声に幅広く耳を傾けているところであります。  特に新型コロナ関しましては、今年2月から先月末までの10か月間に、提言メールを通じて3,625件の御意見や提言等をいただいているところであり、今後とも、これら広聴の仕組みを最大限活用して様々な県民ニーズを把握し、何が必要かを判断しながら各施策に適切に反映することとしております。  次に、情報提供におけるSNSの活用に関する御質問にお答えします。  県では、今年4月に、LINE、ツイッター、フェイスブックの公式アカウントを開設し、記者会見や新型コロナ関連等の様々な情報をリアルタイムで発信しており、これまでに約4万3,000人の方々にフォロワー等の登録をいただいているところであります。  また、10月からLINE等で利用できるAIチャットボットによる総合案内サービスの運用を開始し、多くの県民の方々から照会のある情報を24時間提供可能な仕組みも導入しており、今後とも、県民ニーズにきめ細かく対応した効果的な情報発信に取り組むこととしております。  以上でございます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 緊急事態の危機管理対応に関する御質問のうち、複合災害時の危機管理体制についてお答えします。  コロナ禍においても、自然災害等が発生した場合は、それぞれの所管部局において災害対策本部等を設置し、本部長である知事のトップマネジメントの下、関係部局の連携と役割分担により、全庁を挙げてあらゆる事態に適切に対応することとしております。  次に、住民との情報共有に関する御質問のうち、災害情報の発信などでのSNSの活用についてお答えします。  県では、防災アプリの位置情報を活用した避難経路の伝達や河川の状況のライブ配信を行っているほか、防災公式ツイッター等による避難情報の発信などにより、災害情報を幅広く発信しております。  さらに、来年度からは、災害時にツイッターやユーチューブなどでの文字や動画の投稿をAIで収集、分析し、被害状況の早期把握と避難情報のより迅速で的確な発信を図るなど、SNSのさらなる利活用に取り組むこととしております。  以上でございます。 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高橋保健福祉部長   〔高橋敏彦保健福祉部長登壇〕 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 危機管理対応の御質問のうち、まず、対策本部会議の在り方についてお答えいたします。  県対策本部は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、政府対策本部の設置時に直ちに設置され、感染症対策の総合的な推進に関する事務を担うとされており、議員御指摘のような意思決定の最高機関であらゆる分野の協議を行う場ではありません。  本県では、国内初感染が確認された1月に関係課の庁内連絡会議、2月に保健福祉部長を本部長とする感染症対策本部、3月1日には知事を本部長とする愛媛県新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、感染状況等に応じて的確に対処しており、政府対策本部が設置された3月26日に、特別措置法に基づく組織に移行しております。  また、対策本部では、国の基本的対処方針の発出や県の防衛戦略の策定時の節目には、対策本部会議を開催して適正に運営しており、今後とも、迅速かつ適切に対策を推進していきます。  次に、情報共有や情報公開についてお答えいたします。  県では、感染状況や感染防止対策等については、対策本部長である知事が各担当部局と一堂に会し、または、個別に検討・協議を重ねるなどして、常に情報共有を図っております。  また、先日の高山議員の御質問に関し、知事からお答えしたとおり、知事自ら記者会見で県民に対して感染状況や感染防止策の考え方を説明しているほか、記者会見の動画や対策本部会議の議事録等は、全て県のホームページで公開しています。  次に、専門家を交えた情報収集についてお答えいたします。  県では、医療関係者、学識経験者、保健所長、衛生環境研究所長等の専門家を構成員とする愛媛県感染症対策推進協議会において、委員にそれぞれの専門的見地から幅広い御意見等をいただいた上で、本部長である知事が総合的に検討・判断して対策等に反映しており、専門家を交えた適切な政策決定を行っております。  次に、住民との情報共有の御質問のうち、ホームページのアクセスについてお答えいたします。  県ホームページの新型コロナに関する情報の月別のアクセス数は、4月が327万4,346件と最も多く、5月、8月及び11月が100万件を超えております。  県では、こうした県民の関心の高まりや新型コロナの感染状況等を踏まえ、感染拡大防止に必要な情報を迅速、正確に発信しており、県民の皆様の不安にお応えできていると考えております。  次に、地域医療の情報共有システムの御質問のうち、HER−SYSについてお答えいたします。  現在、診療・検査医療機関のうち、診療から検査までに対応する医療機関では100%、また、診療のみに対応する医療機関を含めても約70%が利用しており、全体で423の医療機関が患者発生時の届出等で活用しています。  なお、国は、随時、運用方法等の改善を図っており、濃厚接触者等に対する健康観察にも利用するなど現場で効果的に運用されており、保健所業務の負担軽減にもつながっております。  次に、救急車と介護現場との情報共有についてお答えいたします。  県では、医療機関と救急搬送を担う消防機関や保健所、各市町等との情報共有を図るため、県広域災害・救急等医療情報システムを構築しており、平成27年度から機能の一つとして、救急搬送時に消防機関と医療機関がリアルタイムに患者搬送情報を共有できるシステムを運用しています。来年度からは、5Gの活用により、より的確なトリアージによる搬送先の調整が可能となるなど、さらなる救急医療体制の強化を図っています。  なお、救急車と介護現場で求められる情報は、全く性質の異なるものであることから、当該システムによる情報共有の必要性は低く、また、それぞれの現場からも、これまで以上の情報共有を求める声は寄せられておりません。  最後に、データヘルス改革の県の現状についてお答えいたします。  国が進めるデータヘルス改革の実現には法整備等の対応が必要であることから、今後の国の動向を注視しています。国の動向にかかわらず、県としては既に平成30年度から健診・医療等のビッグデータの分析を行い、地域の特性に応じた効果的な疾病予防、健康づくり施策等を展開するなど先進的な取組を実施しております。  以上でございます。 ○(戒能潤之介議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時51分 休憩    ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(戒能潤之介議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(本宮勇議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 本宮勇議員   〔本宮勇議員登壇〕 ○(本宮勇議員) (拍手)志士の会の本宮勇です。  質問に先立ちまして、今回の新型コロナウイルス感染症に対しまして、感染リスクと向き合いながら最前線で活動されている医師、看護師をはじめとする医療従事者の皆様方に対しまして、改めて感謝と敬意を表しますとともに、感染の影響により、日常の生活や経済活動に影響を受けられている全ての県民の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  まず、今後の感染拡大に備えた保健所の体制強化についてお伺いをいたします。  県ではこれまで、新型コロナウイルスの感染事例が発生するたびに、知事自ら強力なリーダーシップを発揮され、行政や関係機関、団体等が一丸となり、濃厚接触者などの迅速な特定と囲い込みを徹底し、事例の早期封じ込めと、さらなる感染拡大対策に取り組んでこられました。  また、県民や事業者の皆さんも、日常生活の中で感染回避行動を着実に実践され、高い意識と賢明な判断で感染防止対策の徹底に努力されており、こうした取組の積み重ねが、県内の感染拡大防止に大きく寄与していると思っております。  一方、海外に目を転じますと、アメリカやヨーロッパ各国では、第1波の規模を大きく超える感染第2波、第3波に見舞われて、フランス、ドイツ、イギリスなどの主要国が、次々とロックダウン等の厳しい措置を取らざるを得ない状況に追い込まれております。  日本国内でも、500件前後で推移をしていた一日の陽性確認数は、11月以降、多い日には2,500件を超える規模まで増加をしており、首都圏や関西圏などの大都市のみならず、地方都市においてもクラスターが発生するなど、感染収束の兆しは見えていないのであります。  本県でも、松山市を中心に新たな感染事例やクラスターが多数発生するなど、医療従事者への負担の増加を憂慮いたしているところでもあります。  厚生労働省の専門家組織であるアドバイザリーボードは、本年11月以降、感染者の増加傾向が強まっており、感染拡大につながるクラスターの発生場所も歓楽街、会食、職場、学校と多様化をし、地域への広がりが見られると指摘をしており、医療提供体制への重大な影響を危惧するところでもあります。  本県でも、油断をすることなく、引き続き感染拡大防止に取り組むとともに、さらなる感染拡大やクラスターの連鎖を食い止めるには、濃厚接触者などの囲い込みや封じ込めに中心的な役割を果たす保健所の初動体制が極めて重要になると思うのであります。  先般示されました県の報告によると、国の患者推計モデルに基づき算出をした最大新規感染者に対応するには、入院調整、疫学調査、健康観察などに当たる保健所の保健師などが、緊急事態宣言中の約2.5倍必要になるとのことでありますが、1つのクラスターが瞬く間に第2、第3のクラスターにつながって感染者が急増した他県の事例を鑑みると、早急に保健師などの専門職の確保など、感染拡大に適時適切に対処できるよう、保健所の体制を整えておく必要があるのではないかと思っております。  そこで、お伺いをいたします。  今後の感染拡大に備えて、保健所の体制強化にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、お隣の香川県や福岡県などで猛威を振るい、心配なもう一つのウイルスである鳥インフルエンザへの対応について、お伺いをいたします。  特に香川県の養鶏場では、毒性の強い高病原性の鳥インフルエンザが相次いで発生をし、感染拡大防止の取組と鶏の殺処分等の対応が行われております。殺処分の対象は170万羽以上にも及び、陸上自衛隊の協力の下、香川県内の自治体職員で構成をされる対策班による懸命な防疫作業が実施されたとも聞いております。香川県では、2年前にも鳥インフルエンザの発生を経験し、また、本年10月末に北海道の野鳥から、今回の香川県で確認されたものと同型のH5N8型ウイルスが見つかり、警戒をする中での事態でもあったため、地元では驚きと戸惑いが広がっているとのことでもあります。  現時点では、感染源や感染ルートは明らかになっていないとのことでありますが、国の調査委員会は、感染が広がった要因として、一部の養鶏場において、入り口での消毒が十分でなかった疑いがあるとし、調査委員長を務める鳥取大学の伊藤教授は、欧州からの渡り鳥を通じてウイルスが広がった可能性も考えられると指摘をされております。  本県にも毎年、多くの渡り鳥が飛来をし、県内の養鶏農家は約100戸、総飼養羽数は約360万羽にも上ります。県内の養鶏農家にとって、いつ自分の鶏舎でウイルスが発生しても不思議ではなく、多くの不安の声を耳にいたしております。  加えて、このウイルスは畜産業のみならず、地域経済に大きな損失を与えるおそれのある悪性伝染病であり、県では、直ちに緊急防疫会議を開催し、対応を検討いただいたことに心強さを感じております。  ウイルスへの対応は、徹底的な感染防止対策と早期の感染源の特定が鍵となります。早期の特定には、高度な知見を有する専門家の協力が不可欠となるため、平素からの連携が重要であり、岡山理科大学獣医学部が県内に立地しているという意義は、今後、ますます大きくなると思っております。  また、感染が確認をされた鶏舎の消毒作業や殺処分を行う人員の確保、埋却先の検討など、ウイルスへの対策を具体的に示した実効性の高い計画策定と事前の訓練を行っていくことも重要であると思うのであります。  そこで、お伺いをいたします。  県では、香川県などで発生をした鳥インフルエンザにどのように対応しておられるのでしょうか。また、万が一、本県で発生した場合の備えについてもお伺いをいたします。  次に、農作業の安全対策についてお伺いをいたします。  我が国の農業は、これまで機械化の進展による生産性の向上や経営規模の拡大を実現することにより、大きな成長を遂げてまいりました。さらに今後は、農業が抱える担い手の高齢化や後継者不足などの課題を解決していくため、AIやICTを活用したスマート農業の普及が重要な鍵になると考えており、大きな期待を持って注目をいたしているところでもあります。  しかしながら、新たな農業機械の開発が進む中で、農作業中の事故が多く発生していることも事実であります。農林水産省の調査によりますと、全国における農作業事故の死亡者数は、平成20年から29年の10年間で年平均355人となっており、平成30年には274人と、直近のピークである平成21年の408人からは減少をいたしてはおりますが、いまだに多くの死亡事故が発生をいたしております。  また、お亡くなりになられた方のうち、65歳以上の高齢者が87%と高い割合を占め、事故の要因では、農業機械を使った作業中の事故が全体の60%、中でも乗用型トラクターでの事故が多く、機械の転落や転倒が死亡事故の主な要因となっております。  県内でも今年、今治市におきまして、高齢の方が田植機と民家のコンクリート塀に挟まれるという痛ましい死亡事故が発生をいたしました。田植終了後、エンジンをかけた状態で降車し制御できなかったことが原因と言われており、かつてのように、複数で作業をしてさえいれば早期に発見できたのではないかと心を痛めたところでもあります。  農作業における死亡事故の発生率は、他業種に比べても高く、平成30年における就業人口10万人当たりの死亡者数は、建設業の6.1人に対し、農業は15.6人にも上っており、また、農作業中にけがをする事例も多くなっていると聞いております。1件の重大な事故の背景には、29件の軽微な事故と300件のヒヤリ・ハットが潜んでいるというハインリッヒの法則があり、平成30年の県内での死亡事故5件を当てはめてみますと、その背後に145件の軽微な事故と1,500件のヒヤリ・ハットが潜んでいたとも推測ができます。このようなことを考えますと、農作業における安全確認や農作業事故の低減への取組は必要不可欠であると考えております。  そこで、お伺いをいたします。  農作業の機械化や農業従事者の高齢化が進む中、県では農作業の安全対策にどのように取り組んでいるのか、お伺いをいたします。  次に、原子力防災対策についてお伺いをいたします。  伊方発電所は、四国の最西端にある佐田岬半島の付け根に建設をされた四国唯一の原子力発電所で、昭和52年の運転開始から、これまで電力の安定供給に貢献してきましたが、1、2号機については、既に四国電力が廃止方針を決定し、現在1号機では廃炉作業が、2号機では廃炉手続が進められております。3号機は、平成27年に新規制基準に基づく原子炉設置変更許可を受け、28年から安全運転を継続いたしておりましたが、今年に入り、広島高裁による運転差止めの仮処分決定を受けたことや定期検査中にトラブルが続発した影響などにより、現在、運転が停止をいたしております。  現時点では、伊方発電所で営業運転をしている原子炉はありませんが、事故のリスクがあることに変わりはなく、県は、引き続き安全対策の徹底を国や四国電力に対して強く求めていただくとともに、四国電力でも、伊方発電所の安全運転や廃炉作業に緊張感を持って取り組みながら、信頼の源であるえひめ方式による通報連絡体制や安全対策の徹底に努めていただきたいと考えております。  さらに、安全に絶対はないことから、万が一の事故に備える原子力防災対策でも、関係機関との連携強化や様々な訓練の積み重ねなどにより、住民避難の実効性向上を図り、地域住民をはじめとした県民の安全・安心を確保することが大切であると思うのであります。  そのような中、県では、本年10月22日に、伊方発電所からおおむね半径30キロ圏内の多くの住民の方々をはじめ、国や伊方町など周辺自治体、防災関係機関などの99機関、約2万人が参加をした総合的な原子力防災訓練を実施されました。  今回の訓練では、悪天候の影響により、一部変更を余儀なくされたものもありましたが、いまだ終息が見えない新型コロナウイルス対策を考慮した住民避難に取り組まれるとともに、大分県や県内の新たな受入れ市町への広域避難や、ドローンをさらに活用するための実証実験、土砂災害などによる寸断された避難道路を復旧させる訓練など、より実践的な訓練が実施されたと聞いております。  知事におかれては、毎年新たな訓練に取り組むなど、あらゆる事態に対応できる体制整備を求め続けられており、その積極的な姿勢を高く評価いたしているところでありますが、今後とも、広域避難計画の一層の実効性向上に取り組んでいただきたいと考えております。  そこで、お伺いをいたします。  今回の原子力防災訓練を踏まえ、今後、原子力防災対策の充実・強化にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、デジタル総合戦略(仮称)の策定状況等についてお伺いをいたします。  新型コロナウイルス感染拡大により、都市機能や人口の過度な一極集中のリスク、グローバルサプライチェーンの脆弱さなど、様々なリスクや課題が浮き彫りとなりました。中でも、国民に一律10万円を給付するという特別定額給付金オンライン申請では、多くの自治体で事務処理に混乱が生じ、我が国のデジタル化やオンライン化が遅れていることを象徴する出来事として、多くの国民の記憶に残ってしまったと感じております。  このことを契機といたしまして、本年7月に閣議決定をされた骨太の方針2020では、新たな日常構築の原動力となるデジタル化への集中投資や実装、環境整備を進める方針が示され、さらに9月に発足をした菅内閣では、社会全体のデジタル化をリードするデジタル庁の創設に向け、デジタル改革関連法案準備室を設置いたしました。来年の通常国会に関連法案を提出するとしており、民間の知見も取り入れながら、省庁の枠を超え、スピード感を持ってデジタル化を進めていくという強い姿勢をひしひしと感じております。  また、地方自治体におきましても、総務省が、自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画を年内に策定することとしており、この計画の中で、自治体が取り組むべき施策や国としての促進策などを盛り込むと聞いております。  このような中、本県では、中村知事のリーダーシップの下、いち早くデジタルマーケティングや5G技術等を活用した施策に着手されるなど、デジタル施策の展開に積極的に取り組まれてきており、社会経済の変化を敏感に感じ取り、先見性のある取組を進めていることに改めて敬意を表するものであります。
     今年度からはこれらの取組を加速させるべく、4月には県デジタル総合戦略本部を立ち上げ、部局横断的な施策展開を進めるとともに、新たな技術導入や活用方策など、デジタル施策の指針となるデジタル総合戦略(仮称)を年度内に策定することとしており、去る11月19日にはその骨子案が示されました。  骨子案にあるデジタル総合戦略(仮称)の基本方針には、県民本位、市町との協働、官民共創という3つの視点が掲げられ、県民の目線に立って、市町や民間事業者など、様々な主体と連携をしながら、一丸となって本県のデジタル化を進めていこうとする強い意気込みを感じられるものとなっております。また、県民生活に関わる幅広い分野において、デジタル技術の効果的な活用を図る様々な方策が盛り込まれており、今後の施策の具体化に大いに期待をしているところであります。  そこで、お伺いをいたします。  今年度策定をするデジタル総合戦略(仮称)の策定状況はどうか。また、今後、同戦略に基づき、本県のデジタル化の推進にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、ものづくり分野の販路開拓支援の取組状況についてお伺いをいたします。  先般、政府が発表した本年11月の月例経済報告によりますと、国内景気について、「依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きが見られる」との判断を据え置いてはいるものの、企業の設備投資がこのところ減少していることや、企業収益についても、「感染症の影響により、大幅な減少が続いている」とされるなど、中小企業にとってはまだまだ先行きへの不安が払拭できない状況が続いております。  また、本年10月からは、国のGo To トラベルキャンペーンに東京発着が追加されるなど、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベル引上げに向け、人々の往来が徐々に再開をされ、県内ものづくり企業からも、大都市圏へ移動しての営業を少しずつ再開したとの声が届くようになった矢先の感染者数増加に憂慮をいたしているところでもあります。  そのような環境の下、今年、大都市圏で開催をされている大型展示会を見てみますと、感染症対策をしっかりと行った上で実地開催されているものや、オンラインに切り替えて開催されているものなど、世の中の動きと連動するかのように、対面型と非対面型の両方で商談機会が提供をされております。  こうした動きについて、県内の製造業の方と話をしてみますと、オンライン商談は手軽できっかけづくりに有効なので、どんどん取り入れていきたいという前向きな声がある一方、オンライン上のやり取りだけでは新規開拓は進みづらい面もあるといった悩みの声も上がっております。他業種と同様、ものづくり分野においても、オンラインと対面の営業を顧客や商談の進捗状況に応じて柔軟に使い分けられるよう、経験を積んでいく必要があると感じております。  これまで県では、営業ツールとして、スゴ技データベースを作成し、知事が先頭に立って、国内外でのトップセールスをはじめとした商談会の開催や、首都圏で開催をされる大型展示会への県ブース出展など、県内企業の商談機会を積極的に提供されており、また、このコロナ禍においても、全国の自治体に先駆けて、いち早くえひめバーチャル展示会を開催したほか、様々な分野でウェブを活用した新たな商談機会を創出するなど、販路開拓支援に意欲的に取り組んでこられており、大変心強く感じているところでもあります。  欧米では、新型コロナウイルスの感染拡大が続いております。国内においても、感染拡大の波が首都圏などの大都市から地方に押し寄せてきている状況にあると思っております。県でも難しいかじ取りが続くものと予想をされますが、引き続き、企業の事業継続と雇用維持を大前提として、今後の反転攻勢にしっかりとつなげていくために、県の販路開拓支援に期待を寄せているところであります。  そこで、お伺いをいたします。  コロナ禍におけるものづくり分野の販路開拓支援の取組状況と今後の展開方策について、お伺いをいたします。  最後に、岡山理科大学獣医学部開学による地域への波及効果についてお伺いをいたします。  岡山理科大学獣医学部は、国内で半世紀ぶりに誕生をした獣医学部として、平成30年4月に、私の地元今治の地で開学をいたしました。多くの高校生が進学に伴って市外に転出をし、卒業後も地元に戻ってこない状況にあった今治市にとって、大学の誘致は40年来の悲願でもありました。今治市とともに、構造改革特区の提案や、省庁への要望活動を粘り強く続けてこられた県関係者の皆様に、改めて感謝を申し上げる次第であります。  大学では現在、約600名の若者たちが日々研さんを積んでおり、また、各自が地域の一員として活動することで、まちに活気が生まれつつあります。残念ながら、今年は新型コロナウイルスの影響で、オンライン授業の実施や課外活動の制約など、学生を取り巻く環境が一変をし、特にこの春に入学したばかりの学生は、不安な日々を過ごしているのではないかと危惧をいたしておりますが、新型コロナウイルス収束後は、充実した大学生活を送られることを願っております。  また、例年多くの市民でにぎわう大学祭「ゆめいこい祭」も中止を余儀なくされましたが、このような中にあっても、大学では、コロナ対策に細心の注意を払いながら、大学や学生と地域住民とのつながりの確保に腐心をされており、10月末には、新型コロナウイルスの影響により延期をされていた大学主催の市民公開講座が再開されるとともに、新たな取組として、同日に開催をされたキリンの生態や動物の角などをテーマとした小学生向けの公開講座には、多くの子供たちが訪れたと聞いております。  獣医学部の特徴を生かしたこれらの地域貢献の取組をきっかけに、子供たちにとって、大学が身近な存在となり、また、獣医師という仕事に関心を持つ子供が増えることで、将来的に、若者の地元定着や、県内や四国内での公務員獣医師の確保等にもつながっていくことを強く期待いたしているところでもあります。  また、昨年は、島嶼部のイノシシ被害の調査・対策を実践する大学の取組を生かして、地元の今治明徳短期大学と連携をし、捕獲されたイノシシを使ったジビエメニューを両大学の学生が開発し、双方の大学祭等で提供するというユニークな取組も行われました。こうした取組を地道に継続していくことで、大学が地域にとってかけがえのない存在となり、様々な分野で地域活性化の中心的な役割を担っていくものと確信をいたしております。  そこで、お伺いをいたします。  岡山理科大学獣医学部の開学から2年半が経過をし、地域との交流が進んでおりますが、自治体等との連携や地域への波及効果について、どのように認識しておられるのかお伺いをいたします。  終わりになりますが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、議員活動の自粛を余儀なくされ、我々議員にとっても苦難の年となってしまいました。地域を回り、集会を重ね、住民の声を聞くとともに、県政の取組をお知らせする議員としての本来の役割を十分に果たせないまま年の瀬を迎えざるを得ないという、これまでの議員生活において経験をしたことのない年となってしまいました。来年は、新型コロナウイルスが早期に鎮静化をし、これまでのように地域に密着した活動を行うことができる環境が整うことを心から願いまして、質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 本宮議員に、まず、保健所の体制強化についての御質問にお答えをさせていただきます。  全国的な感染拡大が続き、本県においてもクラスターが発生するなど陽性確認が増加している中、陽性となった方に寄り添いながらも積極的疫学調査を行う保健所、正確かつ迅速な検査を実施する衛生環境研究所、多くの患者を受け入れていただいている医療機関、そして最前線で使命感を持って治療に携わる医療従事者など、県民の皆さんの命や健康を守るため奮闘されている関係者の皆様に改めて感謝を申し上げたいと思います。  確認された事例からのさらなる感染拡大を防ぐためには、感染者や濃厚接触者等の迅速な把握と感染事例の確実な囲い込みが不可欠でありますことから、関係者の把握や健康観察等を担う保健師などの専門職を確保し、保健所の体制強化を図ることは極めて重要であります。  県では、年度当初より保健所の体制強化を進めており、11月末時点で6名のOB保健師を会計年度任用職員として県下の保健所へ配置したのに加えまして、新たに、年内の運用開始を目指して、市町などの保健師を県の保健所に派遣していただく仕組みの構築を進めているところでございます。  各方面からの支援により、必要な専門職の確保に一定のめどがつくとともに、市町などの保健師に保健所業務を経験していただくことは、保健所機能の充実のみならず、県下全体の新型コロナ対応の底上げにもつながるものであると思います。  また、今回、陽性確認やクラスターが集中した松山市保健所に県の保健師を複数応援派遣しているように、状況に応じて保健所間での専門職の相互支援を実施し、必要があれば、国が構築している都道府県を越えた保健師等の応援派遣スキームも活用することとしており、感染防止には、何よりも県民の皆さんの感染回避行動の徹底が重要でありますが、県としても、引き続き緊張感を持って、保健所の体制強化と感染拡大の防止に努めてまいりたいと思います。  次に、鳥インフルエンザの御質問でございます。  高病原性鳥インフルエンザは、強い感染力や高い致死率から畜産経営に甚大な被害をもたらす重大な疾病であり、本県では、香川県での最初の事例の発生を受けて、直ちに緊急防疫会議を開催し、衛生管理基準に沿った野生動物の侵入防止対策や消毒などを生産者に徹底するとともに、家畜伝染病予防法に基づく消毒命令を2度にわたって発出し、消石灰を配付して緊急消毒を行うなど、最大限の警戒感とスピード感を持って、予防措置を現在講じているところでございます。  それでも、万が一の発生時には、対策本部を速やかに立ち上げ、私がトップとなって、全庁を挙げて防疫措置を行うこととしています。また、発生に備えて、平時から動員体制の整備や初動防疫に必要な防疫資機材の配備、防疫作業に協力いただく県建設業協会など、民間団体との支援協定の締結に加え、自衛隊や警察等の関係者も参加する防疫演習を毎年実施し、対処方法や手順の確認を行うなど、早期の終息が図れるよう、防疫体制の強化に努めているところでございます。  鳥インフルエンザは、冬から春にかけての発生が多く、今シーズンの脅威が去るまでにはまだ時間がかかると思います。そこで、引き続き市町や関係団体等との緊密な連携の下、しっかりと緊張感を持って高いレベルでの警戒体制を維持していくとともに、昨年度から家畜伝染病に関する連携を深めている岡山理科大学獣医学部の専門的な知見も生かしながら、発生予防はもとより、発生時に備えた防疫対策に万全を期してまいりたいと思います。  次に、デジタル総合戦略に関する御質問でございます。  デジタル総合戦略は、急速な進化を続けるデジタル技術を、行政の効率化をはじめ、県民生活の利便性や県内産業の生産性の向上等に幅広く活用し、地域の持続的発展につなげていくための指針となるものであり、全国でも先駆的な戦略として、本年度末の策定に向け、鋭意作業を進めております。  先月公表した骨子案では、「デジタルでつなぎ切り拓く、活力と安心感あふれる愛顔のえひめ」という基本理念の下、県民本位、市町との協働、官民共創の3つを基本方針として掲げ、誰一人取り残すことなく、情報格差のないスマート愛媛の実現を目指す行政のDX、大規模自然災害等が頻発する中、県民の安全・安心を確保する共生社会の実現を目指す暮らしのDX、営業活動やブランド化等で培ってきた県内産業の強みをさらに伸ばす産業のDX、この3つの推進を目指していくことを明らかにしたところでございます。  今後は、県内の産学官等から幅広く御意見をいただきながら、3つのDXを実現する具体的な方策を盛り込み、来年度以降、本戦略に基づく愛媛独自のデジタル施策を積極的に展開することとしており、その円滑な推進に向け、現在、最高デジタル責任者の選任や県内各市町の統括窓口の設置についての検討・協議を進めるとともに、官民が協働し、地域課題の解決を図るデジタルプラットフォームの構築や、自治体や企業等のデジタル人材の育成等にも取り組んでいるところでございます。  引き続き、オール愛媛の体制の下、総合戦略に掲げます積極果敢な挑戦、産学官の連携、新たな価値の創造という3つの基本姿勢を維持しながら、本県のデジタル化の推進に全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、コロナ禍における営業等々の活動についての御質問でございます。  感染症の拡大により、県内ものづくり企業では、受注の減少や海外取引の停滞など、影響が長引いているため、県では、オンラインによる営業活動を速やかに強化して、商談機会の確保や現地情報の収集・提供、新規顧客の開拓など、県内企業の販路開拓を積極的に支援し続けているところでございます。  このうち、建築建材と農業技術を対象に、8月末に開設したえひめバーチャル展示会では、既に約70件の新規商談につながったほか、大手建築・設計会社での個別商談会の実施、スゴ技企業に対する共同開発事案の打診など、リアルの場にもビジネスの動きが着実に広がっているところでございます。  さらに、県内の産業集積を生かしたマスク生産設備の導入補助など、コロナ禍におけるものづくり企業の新事業展開も力強く後押しをさせていただいているところでございます。  また、アジア地域に対しても、出張等が困難な中、これまでの経済交流ミッションや現地パートナーとの関係、蓄積を生かして、国別感染状況や市場ニーズ、企業別の対応戦略等を十分検討しながら、順次ウェブでの商談も進めており、今後は、JICA専門アドバイザーも支援体制に加えまして、海外受注回復に向けた動きを確かなものとしていきたいと思います。  国内外で感染収束の見通しが立たない状況下にあっても、加速するデジタルシフトへの対応はもとより、菅政権が掲げ、国際的にも対応が迫られている温室効果ガス排出実質ゼロをはじめとするSDGsへの貢献などもしっかりと意識をしながら、県内ものづくり企業の販路開拓を引き続き全力で支援してまいりたいと思います。  その他の御質問につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(金子浩一企画振興部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 金子企画振興部長   〔金子浩一企画振興部長登壇〕 ○(金子浩一企画振興部長) 獣医学部に関する御質問にお答えします。  獣医学部は、畜産、水産分野の高等教育機関として、島嶼部における有害鳥獣対策やアコヤガイへい死対策への参画をはじめ、各種研修会への講師派遣、災害時のペット同行避難や動物園の動物に関する学術研究の推進など、本県が抱える多様な地域課題の解決に尽力いただいているところであります。  また、学生や教職員による西日本豪雨災害等のボランティア活動をはじめ、野生動物等に関する市民公開講座の開催や県立高校での実習支援などの地域貢献活動にも積極的に取り組まれており、地元今治市の試算では、全学年がそろう令和5年度に1,200人以上の学生、教職員が定住し、年間約21億7,000万円の経済波及効果が見込まれるとのことであり、人口減少の抑制や地域経済の活性化にも大きく寄与するものと期待しております。  一方で、これまで四国入学枠の合格者が少数にとどまっており、今後、獣医学部には、国家戦略特区として認定された趣旨に鑑み、四国内の公務員獣医師の安定的な確保に一層取り組むほか、人獣共通感染症への対策や、県内畜産業、水産業の生産性向上にも貢献していただきたいと考えております。  県といたしましても、畜産農家や保健所での実習の支援などを通して、学生に本県畜産業の魅力や公務員獣医師としてのやりがいを感じてもらうとともに、今治市と連携しながら、若者の地元定着や人材育成、産業振興などに取り組み、県全体の活力創出につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 原子力防災訓練に関する御質問にお答えします。  今年度の訓練では99機関、約2万人の参加を得て、昨年度の訓練の検証に基づく改善や新規の取組を盛り込み、住民の広域避難訓練や新型コロナウイルス感染症対策、ドローンの実証実験など、総合的な訓練を実施したところでございます。  まず、広域避難訓練では、大分県国東半島の日出町や本県の愛南町で、初めて避難住民の受入れ訓練を実施いたしましたほか、宇和島市の嘉島や八幡浜市の大島で海路避難訓練を行うなど、広域避難体制のさらなる充実に努めますとともに、コロナ禍での避難対策として、体調不良者専用の避難所開設や一般避難者と別便のバスでの広域搬送など、感染症対策と放射線防護対策の両立に取り組み、避難対策の向上を図ったところでございます。  さらに、ドローンの実証実験では、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と連携いたしまして、全国初の取組となるヘリとドローンの衝突回避訓練を行うとともに、14の避難ルートの自律飛行に加え、新たに、飛行ルートを自由に設定して、代替避難路を確認する訓練を実施したところであり、災害の状況に応じた情報収集の高度化に向け、ドローンのさらなる活用に取り組みたいと考えております。  今後、住民アンケート等を踏まえ、検証を行いまして、広域避難計画などに反映するとともに、訓練内容を見直し、関係機関と連携しながら、さらなる災害対策の習熟を図るなど、防災対策に終わりなしとの信念の下、原子力防災対策の一層の充実・強化に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(馬越史朗農林水産部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 馬越農林水産部長   〔馬越史朗農林水産部長登壇〕 ○(馬越史朗農林水産部長) 農作業の安全対策についての御質問にお答えいたします。  本県では、農用運搬車や乗用トラクターの転倒、転落や本県特有の柑橘運搬用モノレールでの事故、熱中症など、農作業中の大変痛ましい事故により、平成30年は5名、昨年も4名の方が亡くなっており、発生件数はここ数年横ばいで、全国と同様、ほとんどが65歳以上の高齢の方によるものとなっております。  このため、県では、昨年度、農業機械メーカーや農業機械士協議会、愛媛大学、JA等の参画の下、愛媛県農作業安全対策推進協議会を設立し、危険事例に関するアンケート結果を踏まえ、農作業中に起こったヒヤリ・ハット事例のリーフレットを作成、配布し、農業者に注意喚起を行うとともに、農業大学校や各普及拠点において、死亡事故が多い高齢者をはじめ、女性や新規就農者等を対象に機械作業の実技指導を行う安全講習会を計22回開催し、農作業中の事故防止に努めているところでございます。  また、今年度は、傾斜地での作業負担の軽減や安全確保にもつながるドローンやラジコン草刈り機の導入支援のほか、自動運転システム付トラクターの講習会を開催するなど、新たな安全管理の視点が必要なスマート農業に対応した取組も進めておりまして、今後とも、関係団体等と連携しながら、農作業の安全対策に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。    ――――――――――――――――― ○(戒能潤之介議長) 以上で質疑を終局し、全議案をお手元に配付の委員会付託議案一覧表のとおり、また、請願につきましては、文書表のとおり、各委員会に付託いたします。  各委員会は、8日及び9日に付託議案及び請願について審査の上、14日の本会議で各委員長からその経過と結果を報告願うことにいたします。    ――――――――――――――――― ○(戒能潤之介議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明5日、6日、12日及び13日は休日のため、7日、10日及び11日は議案調査のため、休会いたします。  8日及び9日は委員会が開かれますので、本会議はありません。  14日は、本会議を開きます。  日程は、全議案及び請願の審議であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時48分 散会...